ゴルフではスイング中に瞬間的にかなり大きな力が、筋肉にかかります。この際、筋肉が柔軟であれば問題が起こることはあまりありませんが、身体(筋肉)が硬いと筋肉を傷めてしまうことがあります。このためゴルフ前にはストレッチを行い、十分に筋肉を柔軟にしておくことが大切です。また、ゴルフ後のストレッチは、疲労の早期回復に有効です。ゴルフによって筋肉が疲労すると、筋肉は硬くなります。これがゴルフ中に筋肉の中で発生した疲労物質(乳酸など)の除去を妨げ、疲労回復を送らせてしまいます。場合によっては、翌日、翌々日に筋肉痛を引き起こしてしまいます。


ゴルフの前後にストレッチを必ず行うようにしましょう!

☆手首のストレッチ☆

手のひらを手前に向けて胸の前で組みます、片方の手首を曲げるように手首のストレッチを行います。ストレッチングしている腕と反対の方向に腕を軽く引っ張ることにより、腕、肩、背中もストレッチすることができます。左右両方の手首で15〜30秒間ずつその状態を保持して下さい。
 

☆肩、腕、背中、手首のストレッチ☆

手のひらを上に向けて頭上で組みます。組んだ手を上に伸ばすようにしてストレッチします。手首だけでなく、腕、肩、背中もストレッチすることができます。呼吸を止めないようにして15〜30秒間保持します。
 

☆肩、背中のストレッチ☆

腕を胸の前で横にし、肘を反対側の肩の方に引きつけるようにストレッチします。左右の腕で15〜30秒間ずつ保持します。
 

☆腕、脇腹のストレッチ☆

まず両方の腕を上に上げ、次に片方の肘を曲げ、反対側の手でその肘を押さえる。その状態から肘を頭の方に引き寄せる。左右の腕で15〜30秒間ずつ保持します。左右の腕のストレッチが終わったら、次にほぼ同じ姿勢で身体をゆっくりと横に曲げ、脇脇腹をストレッチします。これも左右で15〜30秒間ずつ保持します。腕と脇腹のストレッチは、別々に行ったほうが良いでしょう。
 

☆背中、腰のストレッチ☆

足を肩幅に開き、つま先を前に向けた姿勢で、壁から30〜50cmくらい離れて、壁に背を向けて立つ。身体を一方に回し、壁に手をつける。無理に両手をつこうとせず、回せるところまで回し、その姿勢を15〜30秒間保持する。左右に2〜3回ずつ行う。ヒザのわるい人で、ヒザに不快感の出る人は無理しないように。
 

☆ふくらはぎのストレッチ☆

壁から50〜60cm離れて、両足を前後に開いて立ちます。次に、壁に両手をつき、後足のかかとが地面や床から離れないように注意しながら、身体をゆっくりと前傾させてゆきます。この姿勢を30〜60秒保持します。必ず左右のふくらはぎをストレッチして下さい。
 

☆腰、股関節のストレッチ☆


壁から50〜60cm離れて横向きに立ちます。次に右手を壁につき、右脚を地面や床から離し、左脚の前でできるだけ深く交差させます。同時に壁の方に向けて右腰を近づけるようにゆっくり曲げてゆきます。この姿勢を15〜30秒間保持します。左右とも2〜3回ずつ行います。
 

☆ふとももの内側・後ろ側のストレッチ☆

足の裏を合わせて、膝を開くようにして床に座ります。両手でつま先を握り、両肘を膝の内側辺りに当て、身体をゆっくりと前傾させます。首を前に曲げるのではなく、身体を前に倒すようにして下さい。15〜30秒間この姿勢を保持します。

次に片方の膝を伸ばし、膝を伸ばした方のつま先を握るように身体を前方に倒します。無理につま先を握る必要はありません。前傾できるところまででかまいません。無理に握ろうとしないように注意して下さい。左右ともこの姿勢を15〜30秒間保持します。
 

☆背中、臀部、腰のストレッチ☆


左脚を伸ばして床に座ります。次に右の膝を曲げて左脚の外側に右足を置きます。左肘を右膝の外側に当てて、右膝が動かないように固定し、身体を右側に回します。この際顔も右に回し、後方を見るようにして下さい。15〜30秒保持します。左右とも行って下さい。
 

☆臀部、腰のストレッチ☆


あおむけに寝て、両腕をまっすぐ肩の高さで広げます。この姿勢から片方の腰を浮かせ、ふとももを反対の脚と交差させるようにします。この際、両肩が床から離れないようにします。この姿勢を15〜30秒保持します。左右とも行って下さい。
 

☆股関節、腰のストレッチ☆

あお向けに寝て、左脚を伸ばす。次に右膝を抱え込み、脇の下の方に引き付けます。左脚が床から離れないように注意して下さい。この姿勢を15〜30秒保持します。左右とも行って下さい。無理に頭を起こさないように注意して下さい。また、腰を反らさないように注意して下さい。
 

☆股関節、腰のストレッチ☆


両膝を立てた姿勢であお向けに寝ます。この姿勢から両膝を抱え込んで胸のところに引き寄せます。この姿勢を15〜30秒保持します。無理に頭を起こさないように注意して下さい。また、腰を反らさないように注意して下さい。
 


☆ストレッチの効用☆

運動のパフォーマンスの向上

…筋肉が柔軟であり、関節がスムーズに動く方が、動きに無駄がなく、パフォーマンスが向上します。

スポーツ傷害の予防

…スポーツ傷害の中でも特に筋肉に関連する肉ばなれやアキレス腱炎などは、筋肉が硬い程、その発生率が高いと言えます。また、腰痛も背筋の柔軟性欠如が一つの要因になります。さらに関節の傷害も筋肉の柔軟性との関連が指摘されています。

運動後の疲労回復

…運動により筋肉は硬くなります。このため運動後にしっかりとストレッチを行っておかないと、静脈血の還流(心臓への戻り)が妨げられ、疲労物質(乳酸など)が筋肉内などに蓄積し、疲労回復の遅れや、筋肉痛の原因となってしまいます。このため疲労回復は勿論のこと、翌日や翌々日の筋肉痛予防のためにも運動後のストレッチは非常に大切です。傷害の予防にもつながります。