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ゴルフエクササイズC
肩のエクササイズ(第1部)
肩周辺の筋肉はゴルフスイングにおいて非常に重要であることは言うまでもありません。肩周辺の筋肉は大きく分けて、2つのグループに分類されます。一つは肩を動かす(あるいは腕を動かす)大きな筋肉のグループ、そしてもう一つは肩の関節の安定性を高める小さな筋肉のグループです。野球のトレーニングの話題の中では、前者はアウターマッスル、後者はインナーマッスルと呼ばれています。ご存知の方も多いのではないかと思います。アウターマッスルの代表的なものは、肩を全体に包み込むようについている三角筋、胸の部分にある大胸筋、そして脇の下から背中側にある広背筋などです。インナーマッスルは、正確にはローテーターカフ(回旋筋腱板)と呼ばれる小さな筋肉のグループのことで、あまり馴染みはないと思いますが、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つからなっています。勿論、ゴルフのスイングにおいてはどちらの筋肉グループも欠かすことはできません。そこで今回から数回にわたってこれらの筋肉に対するエクササイズについて紹介します。
ゴムバンドでのサイドレイズ このエクササイズは、主に三角筋中部(肩の横の部分の筋肉)と棘上筋に対するものです。腕を横に上げる動作で、肩に痛みや違和感のある方は行わないようにして下さい。ゴムバンドの一方の端を足でしっかりと踏みつけて固定し、もう一方の端を持ちます。この際、ゴムバンドを持った手は身体の真横ではなく、真横よりわずかに前の部分で構えます。次に肘をわずかに曲げた状態で、腕をわずかに前方で横に上げます。腕を上げる高さは、腕が床と平行になる高さかそれよりもわずかに上までです。腕を上げる時に身体を反対側に傾けたり、肩そのものの位置を下げたり、上げたりしないように注意して下さい。最初から強い負荷でエクササイズを行おうとすると、このような不正な動きをしてしまうことがよくありますので、最初は軽い負荷で腕だけを動かすようにつとめて下さい。回数は8〜10回(1セット)で、これを2〜3セット行って下さい。また、必ず両肩とも行って下さい。
ダンベルでのサイドレイズ 基本的には、ゴムバンドでのサイドレイズと同じです。ダンベルを握って、身体の真横よりわずかに前の部分で構え、次に腕をわずかに前方で横に上げます。肘を真直ぐに伸ばして行うと、肘を傷めることがあるので注意して下さい。また、身体を反対側に傾けたり、肩そのものを上下させないように注意して下さい。回数、セット数はゴムバンドでのエクササイズと同じです。
脚全体のエクササイズ(クォータースクワット)
エクササイズの対象となる筋肉は、ふとももの前後、そして臀部にある筋肉です。これまで紹介したエクササイズで個別に鍛えてきた筋肉を総合的に鍛えるエクササイズです。膝を1/4位曲げてしゃがみ込む動作ということで、クォータースクワットと呼ばれています。
両脚クォータースクワット 動作自体は非常に簡単で、ゴルフの時のスタンスと同じくらいに両足を開き、上体をやや前傾させた姿勢からゆっくりと膝を30°前後まで曲げ、元の姿勢に戻るように膝を伸ばします。動作中、上体の角度が変わらないように注意して下さい。また、あまり深く膝を曲げる必要はありません。膝を曲げる時には、膝を爪先方向に真直ぐ前に出すようにします。膝が内側に入ったり、外側に出たりしないよう注意して下さい。
10〜20回を1セットとして、2〜3セット行います。筋力がついてきて、楽にできるようになったら、次のいずれかの方法で強度を上げるようにして下さい。
ゴムチューブを使ったクォータースクワット10〜20回クォータースクワットを行えるくらいの重さのダンベルを両手に持って行います。
片足クォータースクワット 片方の脚だけで立ってクォータースクワットを行います。必ず両方の脚で行って下さい。特に片足で行う場合は、最初は壁などに手を着いて身体を支え、慣れてきたら壁などから手を離して行うようにします。片足立ちで行うことによってバランスを向上させることもできます。
簡単なエクササイズなのであまり効果がないように見えますが、継続して行うことによって、下半身が安定してきます。フィットネスクラブなどでエクササイズを行っている人は、スクワットマシンというマシンを使って下さい。
腹部のエクササイズ(アブドミナルエクササイズ)
最近スポーツの世界では体幹部(コア)の安定性が重要視されています。これは単に腰痛との関連だけでなく、肩や肘のケガにも大きく関わっていると言われています。またゴルフの場合、スイング中に軸がぶれないように如何に身体の中心部をしっかりと保つかが非常に重要です。今回はこの体幹部の安定性に欠かすことのできない腹部の筋、つまり腹筋のエクササイズについて紹介します。腹筋運動と言うと床や地面に仰向けに寝て状態を起こす「シットアップ」という運動が一般的ですが、最近の研究では単に上体を真直ぐ起こすだけでは、体幹の安定性やスイングの安定性の向上には不十分であるということが分かってきました。そこで今回は腹部の真中ではなく、少し横に斜めについている筋肉と、真横についている筋肉を強化するエクササイズを紹介します。これらのエクササイズは、腰痛予防としても非常に大切ですので、週に3〜5回は必ず行うようにして下さい。回数は10〜30回を1セットとして、これを2〜3セット行います。ただし、筋力の弱い人は、最初は無理せずできる範囲で行うようにして下さい。現在腰痛があり、これらの運動をすると痛みが出るとか、いやな感じがする人は行わないようにして下さい。
アブドミナルツイスト(ツイスティングシットアップ)
このエクササイズは、腹部の真中ではなく、少し横に斜めについている筋肉(内腹斜筋・外腹斜筋)を対象にしたエクササイズです。まず両膝を立てて、床に仰向けに寝ます。この姿勢から上体を左側に捻りながら起こします。次にゆっくりの元の姿勢に戻った後、今度は上体を右側に捻りながら起こします。左に捻った時には、右手で左の膝の外側を触るようにします。右に捻った時はその逆です。注意しなければいけない点としては、上体を真直ぐに起こしてから捻るのではなく、捻りながら起こすようにします。また、上体を完全に起こす必要はありません。絶対に反動をつけて行わないで下さい。腹筋のあまり強くない人は、一つ一つの動きをゆっくりと確実に行うようにして下さい。
サイドリフト
このエクササイズは、腹部の横についている筋肉(腹横筋)を対象にしたエクササイズです。まず、肘を着いて横向きに寝ます。この姿勢から腰の部分を真上に上げます。筋力が弱い人は最初のうちは反対の手を着いて補助するようにします。そして徐々に手による補助をはずすようにします。必ず左右とも行って下さい。注意しなければいけない点としては、腰を上げる時に出来る限り身体を真直ぐに保つようにすることです。つまり、腰を反らしたり、曲げたりしないように注意して下さい。また、反動をつけて行わないで下さい。特に腰を反らせた姿勢で反動をつけておこなうと、逆に腰痛を引き起こしてしまうことがあります。注意して下さい。